ぼそぼそ

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見下す

数年前, 友人に諌められたことがある: 「人を見下す態度は君が思っているよりもわかりやすいものだから, 気をつけた方がよい」. 当時, 自分にそういうことを直接言う人に出会うのが珍しく, また自分の他人への接し方に問題があるのとがぼんやりとわかっていたから, はっとした覚えがある. 自分の身を現在振り返ってみても, 人生のところどころでこれに関わる問題に触れてきたことが思い起こされる. 

 見下すという行為は, 誰がある行為をそのようなものとして認識しているかによって, 三通りに分けられると思う. 当の本人が自覚的であることがある. 本人が気づいていないながらも, 他人がそう認識することがある. 両者の認識が噛み合うことがある. 

 他人を見下しているということは, 他人に対してunreasonableな推測をしていることであると思う. それは相手について確からしくない仮定を置くことであったり, 相手のありうる姿の一部を認識しないことであったりする. つまり, 見下している時, 見なかったりや, 見えていなかったりする. 

 見えている, というポーズを取ることで, 他人を見下す人間であるというレッテルを逃れようとする人がいる. これは失当である. 見えていても, 見えていないように振る舞わざるを得ないのであれば, その汚名から逃れることはできない. 他人を見下すことはしばしば避けられないものだと思う.