一点, 疑問に思うことがあった. 彼は大学が提供する価値に言及した. 僕はこれは, 彼が話したかったことに誘導された言及だと思った. そして, 彼はその価値について「振り返ってみて」気づいたと言っている. これには多少の狡さを感じた.
僕は, 「何について考えるかを自分でコントロールする」術を大学で学んだという気はしなかった. 僕はこの術を「大学に居たこの4年間で」ある程度まで身につけたと感じていたが, 「大学で」学んだとは感じていなかった. 大学は考えることのリスト, 考える対象を, それこそ有り余る量で与えてくれた. 量だけではなく, 種類も多かった. 頭がグルグル回って破裂しかけたことが何回かある. 幸運なことに, その過程を通じて, 僕は考えをコントロールすることの必要性を学んだ. さらに幸運なことに, 僕はそれをある程度実践できた. 僕はその成果を大学から切り離したかった.
しかし, 僕は間違いなくそれを大学で学んだのだ. 僕は自分が大学に居る間に学んだことを大学と切り離すことはできない. 一つに, 僕は自分の記憶を信用できない. 二つに, 僕は自分が前に辿った道にできる限り強く依存するように選択を組み立てる. 僕は自分が大学に居る間に得た(ように思える)ことが大学が与える価値であることを否定できない. そして, 多くの人にとって, さらに話し手自身にとってもそれが当てはまるのではないかと思う.
とはいえ, そのことを差し引いたとしてもこのスピーチはすごく良いものだと思う.